maihemeのブログ

小説詩占いやってます

徳山村

山村
 いつ 現代
 どこ 村
 誰 田畑 香織
 どういう話 忘れていた記憶を思い出す話。
 死者から生者に電話をする話
第1章     ゴーストレター
 
  派手に遊んでキープゴーオン月を呼んで悩みを捨てて気楽に、仕方ないから笑っている、ちょっとだけスイングDAY、街の中で優しさ求めている、手のひらに夢を集めて。
真面目は何もならないよ、ちょっとだけ悪ぶってフリーハッピーまだまだわからないから、ただよっているだけ。私は明るい幽霊で死んでもわからない、グッとあなたを抱きしめたのなら、それだけで天国が呼んでいる。愛してるなんて素直に言えなくてもし、あなたがやさしさをくれるならきっとさみしさを分かち合う、ハローみなさま、君を見つけるために地縛霊には就職しなかったのよ、どこにでも私はいる、気持ちはあなたといるけど、たまにあなた以外を見かけていい男と思ったこともある、それでも誰かの気持ちに触れることができたなら、きっと明日は風の中生きていける気がする。道に迷ったならば、そっと声をかけてあげる。通りでやさしい風にあなた吹かれたなら、私を思い出すでしょう?
今緑の電話ボックスにあなたからの、電話を待っているわ。もし私にダイヤルしてくれるなら、きっと私はあなたのソウルメイトになるでしょう?そう思っていたのにあなたからの電話はないわ。
香織「あーあこういうとき迷うわ、私からかけたいのに、がちゃがちゃした女と思われたくないな。」
 香織は商売上手な幽霊で生前は確かに彼氏もいたし働く場所もあった母親もいたけれど、生前に未練はなく、死後にこじらせてしまった、悲しい幽霊である、けれども死後の世界の方が魅力的で順応してしまったのもある。つまりは幽霊の一般的な能力、壁抜けや空を飛ぶ、念を飛ばす、親しい人の背後に立つなどなどある、風を受けてどこまでも揺れている
緑の電話ボックスは割と古くから知られている通信手段で幽霊としてお勤めをしたらもらえるポイントでかけることができる、しかしやってはいけないことが3つある。
①    生きている人に先のことを教えてはならない
②    意図的に人を操ってはいけない
③    悪魔 妖怪、その他と交流してはいけない
こんな感じだろうか?幽霊同士の交流はいいし、どこへいくのも自由自分が納得したら、成仏していいことになっている、ここでよくあるのが思い入れと説教。私は若くして亡くなったけれど、そうでない人たちは必死だ、何せ子孫反映を己の信条としている人たちは、何ヶ月に一回枕元に立って説教、ひとそれぞれ間違いもあれば成功もある、未来に絶対はなく、みんなそこに生きているだけである、そして私はまだイケメンからの電話を待っている。
 田畑香織「私がみつけた、あの人どこにいるの?繋いで欲しい、遠い遠い心の電話を
こんなきれいな星空だから、一人寂しくなってしまうの、星たちよ、お願いあの人に私のことを伝えてください。」
彼を雑誌で見たことがあった、身長190センチ顔は目が平均的で鼻筋が通っていて、眉毛もキリッとしていて目の保養以上、声も甘く透き通る声でききやすくていい、髪型も遊びがあって剛毛でセンスがあって最高、私の胸にドンピシャで彼を一目惚れしてしまった、それ以来、ずっとアタックしているけれどなかなか答えてくれなくて落ち込む毎日だった。
 田畑香織「スマホにも、頭にも事務所へのメールも返事がなくって、私ってやっぱりMDYなのかな。」
MDYとはまるでだめな幽霊の略で毒にも薬にも心霊番組の具にもならない、使えない幽霊によく使われる言葉だ。
私は恐れていた、いつでも怖かった、置いてきぼりになるのを恐れている、正夢なら覚めてほしい、心変わるまで待ちたい、月が出たら帰ればいい、風の中吹かれている、いつでもどこでも、他人の芝はまだ青く見える、夢の続きを恐れている、咲かない花なら、諦められるから。
 帰ろうとした時電話が鳴る
男性の声「もしもし、なんかマネジャーに電話しろっていわれたんだけど、これでいい?香織さん?元気?もしもし。」
奇跡が起きた、今は意識をしないで、会話を楽しむだけ。
 田畑香織「もしもし。」
続く
第2章デート