maihemeのブログ

小説詩占いやってます

小説

ラストで君は「まさか!」と言う

 

 

 

いつ 現代

どこ カフェ

何  王様が強盗をする話

もし自分の行いが間違っていると知った時、ナイフを下ろす

 志々田 嘘夫 強盗犯 性格、強気 自分の話しかしない男 54

 ネタ 猫 弟 経営者

 カフェの客 丸岡 その子女性 会社員23

 桐谷 綾乃

 

 妖精 不和雷同影丸、年齢後期高齢者

 


タイトル「そうです、私が強盗です。」

桐谷 綾乃「ぼんやりみていた、夕暮れのまち、人混みの中で流されたまま、心を亡くしたまま僕は泣き虫、どんな故郷だったと君に尋ねた時、電車の向こうの森を指さし、森の中と答えたね、どうして儚い美しいものを手放さなきゃならいだろう?作り笑いの向こうに見えた やさしさ、今度手を取って両親に挨拶、何かの記念になるだろうか?周り道もどり道繰り返して、見えてくるあざやかな街並みぼくは、やさしい人になれるのかな?にげないで歩きたい。」

一連の詩をかいてみる。なかなかいい出来、これで完成だったらうれしいけど、このあとリズムをつけたりメンバーと相談したりとして、やっと一曲完成。書いてみると伝えたいことがわからなくなって迷うことの方が多い。スタバでこれを書いている。その内容をブログに載せてコーヒーを飲んでほっと一息、この空間が落ち着くからいるわけで、音楽を聴きながらただ生きている、特に好きなスペースは窓側の陽の光が入る机、机は小さいけれどここが落ち着く、そしてイヤホンを取って辺りの景色を見回すと、私の世界が壊れているのをみた。

 志々田嘘夫「頼む大人しく渡してくれ、危害は加えない。」

丸岡 その子「できません、そんな怖い顔しないで」

パソコンから顔を上げると見知らぬ赤いネクタイをしたスーツの男がナイフを持って店員を脅していた、見かけはサラリーマン風の男性で赤い眼鏡をしていた、緊張があたりに走っていた、イマイチ状況が読み込めない、どうせ警察が解決してくれるだろう?おどおどしながら状況をみていた。

 志々田嘘夫「頼む、素直に渡して欲しい、渡してくれたら、みんな万々歳何もしない。」

 丸岡 その子「‥‥無理。」

女性は男性の脅しに体を震わせながら言葉を絞り出して答えている。他の店員は咄嗟のことでおどおどしている。

 志々田嘘夫「無理?無理なことはないだろう?君は私が誰だか、知らないのか?私が渡せといえば、渡して欲しい。」

 丸岡「お願い、帰ってこれ以上みんなをいじめないで、大きな声で言わないで大きなことができないのに私たちの生活に入らないで、私の心を絞って小さな声しか出ないけれど。」

しばらくして沈黙が流れた、店の外からサイレンが聞こえてきた、ヘリがホバリングする音も。

桐谷綾乃は一連の行動を見て、窓の外の状況を聞いて、人生が終わるものだと諦めていた

店内には見たことあるような たまにテレビに映る男性がいる、スーツにメガネ地味な犯人、それがナイフのようなものを持って大好きな店員を脅していた、

桐谷綾乃「やめてよ、そんな乱暴なことしないでよ。」

私は二人の間に割って入ってみた、スーツの人を説得してなんとか店から追い出そうと思って。

志々田嘘夫「君、邪魔をしないでくれ、私の要求をシンプルだ、この店で販売している、瑠璃のフラペーチーノの製造と原材料を渡して欲しい、ひとときのこと、ただ何も考えずに渡

瑠璃フラペチーノは近年この店で人気爆発飲めば、甘い口当たりとフレバーが混ざり若い人に人気な飲み物、ごく普通の飲み物のように見えるが、最後まで飲むと意識が一瞬飛び、辺りの景色が変わり、5秒ほど別人になれるらしい、にわかに信じられないけれど、体験した人が多数いる、無論老若男女問わず、成分は砂糖にミルクカフェインにコンセントレインという濃縮液が入っている、見た目と味で飲む人を魅了しているのだ。

丸岡その子「綾乃ちゃんありがとう、お願いします、帰って、瑠璃色は渡せないの、だってね、この店にあるけれど、渡せないの。」

 店の中では犯人と店員との押し問答が続いているけれど、店の外はパトカーに消防車に救急車にテレビ中継にYOUTUBERにVTUBER政府のリムジンに護送車大騒ぎになっていた、これで犯人が素直に投降して出したらそれはそれで大変なことになる。

 志々田嘘夫「なんでだ?あれはまさしく発明だ、この国を変えると言ってもいい、全ての人が恩恵を受けるべきだ、そう思わないか? 国民一人一人が報われる、そんなこと

思って発言したわけです、さらに少子高齢化これにも歯止めをかける非常に有効な手段とこう位置付けているのです、さらに年金問題最低保証賃金、こういった問題にも有効と考えて交渉しているのであります、つまり君の答え一つでこの国の未来が決まるとこう思うのであります。」

 男は常軌を逸した発言で周りを困惑させていた、誰にも響かない言葉で語りかけ、自分こそは正義という口ぶりだった、そして時折ナイフを持って店内の客や店員を指す、指揮棒のように、顔は朗らかに笑っているが、口調や声のトーンは冷たさを感じた、スーツはリクルートスーツよりもはるかにいいスーツで、店内の照明に当たって光っていた。

桐谷綾乃「わがまま、いわないで言ったことが通るなんてまやかしだよ、この国と同じ懸命にいま生きている人の人生を奪わないで、時間を返して、この国と同じあなたは病気だよ、みんな、みんな生きているし、苦労してる、先日宇宙飛行士になった人もテストに落ちてでも挑戦して、それでも諦めずに挑戦して、それでも離婚して、諦めないから夢を掴めたんだよ、汗とか涙って見て手にいれるものじゃないよ、命を生きた証を口だけでなんとかなるなんて思わないで。」

それを言われて怯まず反論する犯人、

志々田嘘夫「口だけとは、心外です、私は常に考え思案して実行してきたんだ、名誉毀損にあたる、撤回しなさい。」

この人の言っていることは無茶苦茶でおおよそ受け入れられるものじゃない、そして次にその人がやったことを私は許さない。

 志々田嘘夫「こんなことも私はできるんだ。」

その人は、私桐谷をナイフで切った、胸のあたりだ、切られたのは、初めてで、最初は痛いと思わなかったが、徐々に血が出てきた、痛い、私は胸を押さえながら男から遠ざかった。

 丸岡その子「やめてよ、私の友達を傷つけないで、そんなひどいことするならあげる、瑠璃のフラペチーノあげるわよ、泥棒、良心がある人ならこんなことしない、暴力で何もかもふみじることなんてしない。周りにいる人にも関係ない人にさえ敬意をもつはずよ、あなたにはそれがない、何もかも踏みにじって、自分のやりたいことをやってそれで何が残るの?」

丸岡その子はそういうと奥に行き金庫を持ち出した、その金庫は青色に輝いていた

 志々田嘘夫「それか、それなんだな?それがか。」

カフェの机にドンと置かれた金庫は青い色に光っていた、大きさは縦30センチ横40センチほどで重そうには見えない、表にはダイヤル式の番号があり、暗証番号を回せば開くものと思われる。

 志々田嘘夫「よーしいいぞ、番号はなんだ?開けてみろ。」

丸岡は番号を入力して開けた、そして素手で金庫の中にある、瑠璃色の濁った香料のようなものが出てきた。

 志々田嘘夫「なんだ?それは?」

 丸岡その子「瑠璃色の原料、舐めればわかるよ。」

志々田は得体の知れないそれを舐めた、するとどうだろう?店内は昼の最中なのに真っ暗になり明るいカフェの照明が星の光に変わった、ガラス越しのマスコミもパトカーのサイレンも動かなくなった、スローになったのだ、それから血の回りが悪くなり、酔いが志々田を襲った。

 志々田嘘夫「これは、なんだ。」

 丸岡その子「行ってこればいい、私の友達を傷つけたのだから、あなたが何者なんかどうでもいい。」

意識が薄れてゆく、そして志々田は丸裸になっていき、あたりの景色がまた変わっていく、カフェから大空と多数の砲撃音、眼下には艦隊、水平線の向こうには火柱と共に海に落ちてゆく戦闘機、爆音が辺りにこだまする。零戦に載っている志々田嘘夫はパイロットになっていた。」

志々田嘘夫「どういうことだ?あの女。」

志々田嘘夫は混乱していた、しかし手には操縦官が握られていた、無我夢中でその場を離れようとする、しかし無線では眼下にある艦隊に特攻せよと繰り返し指令が降っている。

 志々田嘘夫「いやだ、私は死にたくない。」

手が勝手に真下に向く、そのまま艦隊に落ちてゆく、命が終わる、裸になり暗闇の中どこまでも落ちてゆく、今度は芋虫になる、芋虫の一生は長く葉を食べては雨風を凌いで、体を大きくする、いよいよ羽化の時。

 志々田嘘夫「よし、これであの空に。」

しかし空から飛来してきた鳥にパクリ。あっけなく芋虫は生涯を閉じた。

そして姿を変えては、死んでいくを繰り返した。

志々田嘘夫「どこまで、どこまで死ねばいい、何をしている私は、苦しい、嫌だ、ここから出たい、なんなんだ、これは、もうやめてくれ。」

それが続くとどこからか声がした。

 丸岡その子「行ってくればいい私の友達を傷つけたのだから。」

それは永遠の苦しみに思えた、だが苦しみを解く方法を知らないのだから、このままとも思えた。

 不和雷同影丸「あかん、もうやめや、にいさんあんた自分が悪いと思うか?これ以上は危険や。」

 志々田嘘夫「え、だれだ、悪い全部私が悪い、なにもかも俺が悪い。」

そう告白するとパンという音と共に志々田はカフェに帰ってきた、周りは警察、カフェにいた人窓の外は報道機関、当然嘘夫の手首には手錠がかけられている。

 不和雷同影丸「にいさん危ない所やったな、もう少し遅かったら、三途の川や死因はショック死、心臓発作や、電気でも戻らんかったで、あかんで、にいさんが舐めたのは、瑠璃色の元や本来希釈せな、あかんけどあんたそのままや、そんなことしたら魂疲れて良くて廃人やわし妖精がかろうじて呪文かけたからよかったけれどな。」

それは身長120センチくらいの髭もじゃの老人だった。

 丸岡その子「すいません影ヨン。」

 不和雷同影丸、「かまへんよ、だって命無くなりそうやったしね、それよか綾乃ちゃん大丈夫か?治るんか?」

 丸岡その子「はい、なんとか無事と傷跡は残るけれど。」

 志々田嘘夫「今の現象はなんだ?魂??あれは地獄か?夢か?」

その疑問に答える人はいなかった、だって彼はもう犯罪者だから。

 志々田嘘夫「私は、これからどうなる?」

 不和雷同影丸「知らないよ、刑務所に入るんやないか?そりゃあ悪いことしたら罪になる、考える、やり直す、謝るや人間そんなもんや、わしかて同じや、所でこの人有名なんか?」

 丸岡 その子「さあ、私はあまりニュースを見ないので。」

 志々田嘘夫「私は、わたしは・・・ただの犯罪者だ。」

そういうと、それからは、その人を見ない日はないくらい話題になった、それから私は、いつのものようにカフェで働いて、そして友達を待った。事件のことを周り四六時中聞いたけれど

私はその人を実は知っていた。

 丸岡その子「君は、まさかこの国の総理だったなんて。」